2018年11月29日木曜日

歌いたい事があると言う幸せ

君を失った時僕は
もう歌など書けないと思った
描いた文字はあっと言う間に
灰色になってパラパラ落ちた

君を失った時僕は
もう歌など歌えないと思い
それでもまるで恨みを晴らすように
孤独な塊をぶつけるように歌い続けた

歌うと言う事はどんな事だろう

それは自分の為に
それとも他人の為に

別の彼はそれまでの自分は
自分の為に歌って来たのだけれど
これからの人生は聴いてくれる人の為に
費やす事にしますと誓った

そしてそれを神様は聞き逃さずに
最速で彼の夢を叶えた
何故ならば彼は天に選ばれしもので
多くの聴衆は彼の再起を心から願っていたから

「時」は時にとても残酷だけど
時にもの凄く温かくて
私はそれによって癒され
遠い日々は想い出の中にしまい込んだ

少なくとも
悲しみを知らなかった自分より
悲しみを越えた私は
以前よりとても自然に歌えるようになったから

一人でいる事と独りになる事と
勘違いしてはいけないんです

何処かで聴いてくれている人に
歌いたい事があると言う幸せを
届ける為に生きるのだよと
それを知らせる為に
わざわざ彼と出会わせてくれたんですね

神様なんていないなどと言った私に
まだ歌う時間を残してくれたあなた

やっぱりあなたはいるんですよね

※onorieko.com転載

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